いつの間にか降りだした雨の音。急ぎ足で行く季節の終わりを告げている。ふいに窓を閉じかけた手が止まる。しばらくは君のこと思い出さずにいたのに。今なら、あの夜を越えられるかな。君の涙に答えられるかな。胸も張り裂ける程。全部、君だった。

身の振り方一つで、うまく行きゃ、浮かぶ瀬もあれ。リアルで世知辛い世は、いい思いさせちゃくれない。死活問題さ。僕にとっちゃ。身の程、知らずでもいい。危ない橋を渡って、最後に笑えばいいさ。いつかは拾う神あれ。これからが本番さ。

ばら色の日々を君と探している。たとえ世界がいき場所を見失っても。汚してしまった、スパンコールを集めて。真冬の星空みたいに輝かせよう。だけど茨が絡み付いて運命は悪戯。乾いてしまうのは寂しいね。追いかけても逃げていく、ばら色の日々よ。

夢に包まれた、本の些細な、あの時｡君の匂いは、恥じらう、したたかな花。話したいこと、山のように、あった。もう、どうでもいい。「君と死にたい」それぐらい今は、力任せな言葉の中で埋もれて。