昭和

海沿いの道をひた走る。焦る理由もなく、急ぐ理由もなく。宛名の無い手紙のように、燃える、ねずみ花火のように。夢のため、食べるため、生きるため。愛する人の傍にいるため。潮風遠く、運べと、落ち葉を拾い、そこへ投げた。愛された分まで遠くまで、その意味を探し飛び出した旅。